隙間時間におすすめ~創作物語~で紹介した劇づくり
年長(5歳児)を担任した時のお話作り、劇づくりについて
ご紹介していきたいと思います
子どもたちと一緒に劇を作りたいと考えている保育士さんの参考になれば嬉しいです
お話作り
年中(4歳児)から話し合い活動を取り入れきたことで、話し合いの方法や意見を出し合うことにも慣れてきていました。
年長では、学年のテーマで使っていた物語のその後のお話を作りました。
1度目の年長では「ピーターパンのだいぼうけん」、2度目の年長では「西遊記~その後のお話~」というお話を作りました。
大まかなお話づくり
まずはじめに、クラス全員で大まかな話の流れを話し合って決めました。
お話には起承転結があることを昔話の「桃太郎」や「かぐや姫」を使って説明し、子どもたちとの話し合いをスタートさせました。
「ピーターパンのだいぼうけん」では
- 新しい友達を探しに行く
- フック船長が戦いを挑む
- エルマー・かみなりさま・ゆきおんなと友達になる
- フック船長と戦う
- 一緒にネバーランドで暮らす
「西遊記~その後のお話~」では
- お城を作って三蔵法師・猪八戒・沙悟浄を招待する
- 悟空がお城を作る
- 金閣・銀閣に会いに来た牛魔王がお城を壊す
- ひょうたんの中に帰っちゃう
- 壊れたお城をみんなで直してパーティー
こんな形で大まかなお話を作りました。
グループに分かれてお話を詳しく決める
どちらの時も、5人~6人のグループに分かれお話の細かいところを話し合って決めていきました。
文字で書くことや絵で表現することなども、できそうだったのでグループに1枚画用紙を渡し、話し合いで出たことや決まったことを書いてもらいました。話し合って決めてもらったのはこんなことです。
「ピーターパンのだいぼうけん」では
- 友達の探し方
- 友達探しの理由
- 友達と出会う場所
- 友達になる方法
- 戦い方・最後の終わり方
「西遊記~その後のお話~」では
- お城を作る理由
- お城を作ることの知らせ方
- お城の壊し方と壊した後
- ひょうたんに戻る理由と戻り方
- お城の直し方と終わり方
各グループの話し合いを聞きながら、困っている時には声をかけたり、保育者がまとめたりしながら進めていきました。
劇づくり
お話の内容が決まったら次は劇づくりです。
配役を決め・道具を考え、作り・衣装を考え・セリフを覚え・演じていきます。
配役決め
劇の中で子どもたちと一番話し合うのが配役決めです。
自分のやりたい役・一緒がいいお友達・配役の人数…いろんなことが水面下で探りあわれます。
配役決めでは、思い通りにいかないこともしばしば…
子どもたちのやりたいを大切にしながら配役は決めていきました。とはいえ決まらない時は、話し合いという名の説得・じゃんけんなどの手段も。子どもたちが最後は納得できるように心がけつつ用いていました。
大道具・小道具・衣装を考える
劇の中で大道具・小道具・衣装も大切です。
この場面ではどういったものがあればいいか、大きさはどのくらいのものにするか、衣装の色・装飾・お面はどうするかなども、子どもたちに考えてもらいました。
子どもたちと考え面白かったなと思った道具や使い方を紹介します。
「ピーターパンのだいぼうけん」では
場面展開が多かったこのお話、場面の雰囲気を変えるために模造紙を使用しました。段ボールに、その場面にあった背景を描いた模造紙を、クリップを使って貼りかえるといった方法です。絵を貼りかえるのは、劇の中で出番が少なめだったフック船長役。先生の手を借りずに、自分たちで役割を果たすことを楽しんでいました。
フック船長との闘いでは、役ごとにユニークな方法で戦いました。エルマーは「エルマーの冒険」という物語に出てくるみかんの皮(段ボールをオレンジに塗ったもの)。雪女は息を吹きかけフック船長を凍らせ、スミー(フック船長の仲間)がお湯(すずらんテープを貼った洗面器)をかけて溶かす。雷さまは太鼓を叩いて雷を起こし、懐中電灯の光とすずらんテープで雷を表現しました
「西遊記~その後のお話~」では
筋斗雲の絵を張った台車に悟空が乗って登場し、ステージ上にいる仲間のところに少しづつ進んで場面が変わっている様子を表現
お城の絵をウレタンブロックに張り、パンチをして壊し、直すときにはパズルのように組み立てる
お城を壊したことを謝る看板(段ボールの板)を投げ捨てる
といろんなアイディアや使い方で楽しみました。子どもたちだけのアイディアではなく保育者からの提案も入っていますが…
アイディアが形になることを楽しんでいました。
セリフを覚える
年長では、1人でセリフを言い、セリフを繋いでお話にしていきました。たくさんあるセリフ、長いお話の流れをどうやって覚えさせたらいいのか悩み、先輩の先生方に相談しました。
ある先生が「年長を担任していた時に、台本を1人1個作って、1つセリフが覚えられたら次のセルフを渡すってのやったことあるよ!」と教えてくださり、その方法で練習していました
画用紙に自分のセリフと1つ前のお友達のセリフを貼り、流れを知りつつセリフを覚えられるようにしました。
良かった点は
- お友達のセリフも覚えられるので、助け合いながら進められたこと
- セリフが増えていくので達成感を感じながら、楽しんで覚えられたこと
- セリフを覚える時間を作らなくても子どもたちが遊びながら覚えらえたこと
大変だった点は
- セリフの台紙をたくさん用意し管理すること
- セリフの把握
大変だったのは先生ですね…
セリフを覚えてくると、給食の時間に1人がセリフをつぶやくと次から次へセリフが繋がり、劇練習の時間でなくても、子どもたちが自然と口ずさむようになりました。
演じ方を考える
セリフが覚えらえたら、動きと合わせていきます。セリフの言い方、場面に合わせた動きを出番のない役の子や練習を手伝ってくださる先生方に見てもらいながら、考え作っていきます。
声の大きさ、感情の表し方、動きでの表し方など
練習するごとに、細かいところを話し合っていきます。指摘する時も、相手のことも思いやる気持ちを大切にすることを子どもたちに話ながら進めていきました。
まとめ
子どもたちと作るうえで、大切なのは何と言っても「楽しく!」これは子どもたちが楽しくはもちろんですが、先生も楽しくがポイントだと思います!
みんなで作り上げると、発表会後も子どもたちは劇遊びをしたがります。役を変えたり、先生も入ったりなど、いろんな楽しみ方ができますよ!
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。では、またお会いしましょう!
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